三脈の法とは?「嫌な予感」を自分を守るサインに変える5つのヒント

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「なんだか嫌な感じがする」

「今日はいつもと何かが違う気がする」

「ここにいない方がいい気がする」

理由はうまく説明できないのに、心や身体のどこかが反応している。

そんな経験はありませんか?

私にも、忘れられない経験があります。

2020年、特別警報級の勢力が予想された大型で非常に強い台風が、私の住んでいる地域に接近しました。

自宅に残るか、避難するか。

頭では、

「家にいても大丈夫かもしれない」

と考えていた一方で、身体の奥には、

「ここに残らない方がいい」

という感覚がありました。

私はその感覚を無視せず、避難することを選びました。

この経験をきっかけに、

「人間の身体は、頭で考えるより先に何かを感じ取ることがあるのだろうか?」

と興味を持つようになり、調べる中で出会ったのが「三脈の法」でした。

2020年にはInstagramでも紹介しています。

それから6年。

改めて三脈の法について資料を調べ直してみると、当時とは少し違ったものが見えてきました。

この記事でお伝えしたいのは、未来を言い当てる方法ではありません。

私たちは、自分が思っている以上に、身体からさまざまなサインを受け取っているのではないか。

そして、

その小さな声を、もう少し大切にしてもいいのではないか。

ということです。

この記事のハイライト
  • 三脈の法は、近年SNSで生まれた話ではなく、古い文献にも記録が残っています
  • 三脈の法による災害予知が、科学的に証明されているわけではありません
  • 人の身体が恐怖や環境ストレスに反応する仕組みについては、現代の研究でも知られています
  • 私は三脈の法を「未来を当てる方法」ではなく、「身体に意識を向ける昔からの知恵」として受け取っています
  • 「嫌な予感」「なんとなく気になる」という感覚を、すぐに気のせいとして片づける必要はありません
  • 感覚だけで判断するのではなく、現実の状況や公的な情報を確認することも大切です
  • 「気づく → 確認する → 行動する」という流れが、自分を守る一つのきっかけになります

三脈の法とは?古い資料に残る「災難を察知する方法」

三脈の法とは、身体の複数箇所の脈を確認し、その状態から身に迫る災難を察知すると伝えられてきた方法です。

「そんな昔の話、本当にあったの?」

と思う方もいるかもしれません。

私も今回、改めて資料を確認しました。

国際日本文化研究センターの「怪異・妖怪伝承データベース」には、斎藤彦麻呂の『傍廂』に記された「三脈の法」が収録されています。

そこでは、今大路道三という人物が始めたとされ、火難・盗難・死亡など、さまざまな危険が身に迫っていることを事前に知る方法として紹介されています。

また、守田長禄による『変災前知身体保全法』という書物も実在します。1896年に刊行された資料の書誌情報が残っており、ジャパンサーチにも国立国会図書館の全国書誌として収録されています。

つまり、

三脈の法という考え方そのものが、最近インターネット上で作られたものではない

ことは確認できます。

ただし、ここで大切なのは、

「昔の資料に書かれていること」と「現代科学によって有効性が確認されていること」は別である

という点です。

私は、そこを分けたうえで三脈の法を見ていきたいと思います。

昔の人たちは、今のようなスマートフォンや防災アプリを持っていませんでした。

周囲の変化を観察し、自分の身体にも意識を向けながら、危険から身を守ろうとしていたのかもしれません。

これは科学的に確認された結論ではなく、三脈の法を調べた今の私自身の受け取り方です。

私が興味をひかれるのは、

「身体をよく観察しようとしていた」

という、その姿勢です。

6年後に三脈の法を調べ直してわかったこと

2020年にInstagramへ投稿したころの私は、

「脈の乱れから災難を察知する」

という三脈の法の不思議さそのものに強く興味を持っていました。

けれど、6年後の今、改めて調べてみると、三脈の法によって災害や事故をどの程度正確に予測できるのか、その精度を実証した信頼性の高い科学的研究は、今回確認した範囲では見つかりませんでした。

地震についても、気象庁は2026年現在、日時や場所などを特定した確度の高い地震予知は、現在の科学技術ではできないとしています。

では、三脈の法には意味がないのでしょうか。

私は、そういう二択で考える必要はないと受け取っています。

なぜなら、

未来を科学的に予測することと、自分の内側から届く感覚に気づくことは、別の話だからです。

科学では、観察し、検証し、再現性を確かめていきます。

一方、私がセラピストとして大切にしているのは、言葉や数値だけでは表しきれない感覚にも意識を向け、自分自身とのつながりを深めていくことです。

6年前、

「三脈の法は当たるのだろうか?」

というところに向いていた私の興味は、今では、

「私たちは普段、自分の身体の声をどれくらい聞いているのだろう?」

という問いへ変わりました。

私にとっては、こちらの方がずっと大切な問いになっています。

「嫌な予感」はどこから来る?身体が先に反応すること

私はセラピストとして人と向き合う中で、

身体はとても正直だ

と感じる場面があります。

頭では、

「平気、平気」

と言い聞かせているのに、胸がザワザワする。

ある人に会うとなぜか肩に力が入る。

ある場所に行くと落ち着かない。

反対に、何かを決めた瞬間、ふっと肩の力が抜ける。

そんな経験はないでしょうか。

もちろん、身体に起きることをすべてスピリチュアルな意味と結びつける必要はありません。

疲労、睡眠不足、緊張、ストレスなどによっても、身体はさまざまな反応をします。

一方で、人間の身体が恐怖や環境ストレスに反応する仕組みについては、現代の研究でも知られています。

日本自律神経学会の論文では、恐怖などの環境ストレスに対して交感神経系が活動し、恐怖刺激の情報と扁桃体、視床下部、脳幹の自律神経中枢などが関係することが説明されています。

身近な例で考えてみましょう。

静かな部屋で突然、

「ガシャン!」

と大きな音がしたとき、

何が起こったのかを考えるより先に、身体がビクッと動くことがあります。

私たちの身体は、状況をすべて言葉で整理してから反応しているわけではありません。

日常の中でも、私たちは目に入るもの、音、匂い、風、人の表情や声の調子など、多くの情報を受け取りながら暮らしています。

その一つひとつを、すべて言葉にして認識しているわけではありません。

だからこそ、

「なんとなく気になる」

「今日はいつもと違う」

という感覚が生まれたとき、すぐに蓋をしてしまわなくてもいい。

大切なのは、その感覚を絶対的な答えにすることではなく、

「私は今、何を感じているんだろう?」

と一度、自分に意識を向けてみることです。

台風避難で実感した「頭だけで決めない」ということ

先ほど少し触れた、2020年の台風接近時のことです。

当時、私の住んでいる地域には避難指示が出ていました。

避難先は、子どもが通っている小学校でした。

自宅に残るか。

避難するか。

慣れた家なら必要なものもそろっています。

一方で、大勢の人と同じ空間で一晩を過ごす避難所は、私にとって初めての経験でした。

できれば家にいたい。

そんな気持ちもありました。

頭では、

「家にいても大丈夫かもしれない」

と考えていました。

それなのに、身体の奥には、

「ここに残りたくない」

という感覚がありました。

頭は、

「家でも大丈夫じゃない?」

と言う。

身体は、

「避難したい」

と言う。

まるで、自分の中で綱引きをしているようでした。

私は最後に、その感覚を無視せず、避難することを選びました。

※画像は当時の体験をもとにしたイメージです。

翌朝、自宅へ戻ると、カーポートの屋根がめくれ、一部が飛ばされていました。

幸い、それ以外に大きな被害はありませんでした。

その光景を見て、

「避難してよかった」

と感じました。

ただし、ここは切り分けて考える必要があります。

カーポートの被害と、私が感じていた「ここに残りたくない」という感覚に因果関係があったとは言えません。

身体が未来の出来事を予知した証拠でもありません。

それでも、私にとって大きかったのは、

自分の中から届いていた「避難したい」という気持ちを無視しなかったことです。

もし自宅に残っていたら、激しい風の音や、築年数の古い木造家屋がきしむ音を聞きながら、不安な時間を過ごしていたかもしれません。

結果として私は、自分がより安心できる方へ動くことができました。

あの経験以来、

「頭だけで答えを決めなくてもいい」

と思うようになりました。

考えることも大切。

感じることも大切。

そして、現実の状況や必要な情報を確認することも大切です。

そのすべてを使いながら、より安全な方を選ぶ。

私にとって、あの台風の夜は、そのことを実感した出来事でした。

今の私が三脈の法から受け取っていること

2020年と2026年では、私の三脈の法に対する見方も変わりました。

以前は、

「三つの脈がどうなったら、何が起こるの?」

という方法そのものに興味を持っていました。

今、私が心をひかれるのは、

「昔の人たちは、自分の身体から何かを感じ取ろうとしていたのだな」

という部分です。

私が今、三脈の法から受け取りたいのは、

「脈を測って未来を当てる」

ということではありません。

それよりも、

「外側の情報だけではなく、自分自身にも意識を向けてみる」

という知恵です。

なお、三脈の法には首の脈に触れる方法も伝えられていますが、この記事の目的は測定方法を紹介することではないため、具体的な手順は掲載していません。

首の動脈を強く押したり、左右を同時に圧迫したりする行為は避け、安全を優先してください。

外側に答えを求め続けて疲れたとき、自分の身体に意識を戻してみる。

それだけでも、見えてくるものがあるかもしれません。

「嫌な予感」を自分を守る行動につなげる5つのヒント

「なんとなく嫌な感じがする」

「理由はわからないけれど気になる」

そんなとき、私は次の5つを大切にしています。

1.まずは「気づく」

胸がザワザワする。

胃のあたりが重い。

なぜかそこへ行きたくない。

そんな感覚があったら、

「今、私は何かを感じているんだな」

と一度受け止めてみます。

すぐに答えを出す必要はありません。

身体の声を聞く第一歩は、感じたことを即座に否定せず、自分の内側へ意識を向けることです。

2.自分に聞いてみる

次に、自分へ問いかけます。

「私は何が気になっている?」

「身体のどこが反応している?」

「本当はどうしたい?」

正解を当てるための質問ではありません。

自分の中にある感覚を、少し丁寧に見つけていくための質問です。

台風のときの私も、

「本当はどうしたい?」

と自分に聞けば、答えはきっと、

「避難したい」

だったのでしょう。

3.現実を確かめる

内側の感覚を大切にすることと、現実を見ることは両立します。

「何か気になる」と感じたら、

「今、現実では何が起きているのだろう?」

と確認してみます。

台風なら天気や進路を確認する。

大雨なら周囲の状況を見る。

人に対する違和感なら、これまでの言動ややり取りを振り返る。

感覚そのものを答えにするのではなく、もう一度よく見るきっかけにする。

私は、この使い方を大切にしています。

4.公的な情報を確認する

災害の場合は、自分の感覚だけでなく、公的な情報を必ず確認します。

たとえば大雨では、気象庁の「キキクル」で、土砂災害・浸水害・洪水災害などの危険度の高まりを地図上で確認できます。

2026年2月には、浸水キキクルと洪水キキクルの予測精度を高める改良も行われています。

「ちょっと気になる」

と感じたら、

「今の状況も確認してみよう」

と動いてみる。

内側を感じることと、外側の情報を確認すること。

どちらか一方ではなく、両方を大切にします。

5.より安全な方を選ぶ

最後は、

「未来を当てられたかどうか」ではなく、「今の自分を守るために何ができるか」

です。

身体を信じるというのは、

「直感はいつでも正しい」

と思い込むことではありません。

私は、

自分が感じたことを、自分自身が粗末に扱わないこと

だと受け取っています。

「考えすぎかな」

「気のせいかな」

と思ったとしても、

「私は今、そう感じているんだね」

と一度受け止める。

そのうえで現実を確認し、必要なら安全な方を選ぶ。

身体からの小さなサインを、自分を怖がらせる材料ではなく、自分を守るために立ち止まるきっかけとして使っていくことができます。

三脈の法を「未来予知」ではなく「気づき」のきっかけに

6年ぶりに三脈の法を調べ直して、私の中に残ったのは、

「自分の身体の声を聞いていますか?」

という問いでした。

私たちは毎日、頭をたくさん使っています。

どうしたら正解?

みんなはどうしている?

間違っていない?

そんなふうに外側へ答えを探し続けるうちに、自分が本当はどう感じているのかわからなくなることがあります。

そんなときは、一度、自分へ意識を戻してみてください。

今、ホッとしている?

身体のどこかに力が入っている?

ザワザワしている?

それとも、ふっと軽くなっている?

未来を言い当てることが大切なのではありません。

自分の中に生まれた感覚に気づき、その声を置き去りにしないこと。

必要なら立ち止まる。

現実を確認する。

公的な情報も確かめる。

そして、自分を守るために必要な行動を選ぶ。

私にとって今の三脈の法は、

「未来を当てる方法」ではなく、「自分自身にも意識を向けてみること」を思い出させてくれる昔からの知恵

として残っています。

「私の身体は今、何を感じているんだろう?」

ときどき、そんなふうに自分へ問いかけてみてください。

いつも外側へ向いている意識を、ほんの少し自分へ戻してみる。

そこから、自分を大切にする時間が始まります。

この記事を書くために参考にした資料

国際日本文化研究センター「怪異・妖怪伝承データベース 三脈の法」
斎藤彦麻呂『傍廂』に記録された「三脈の法」の内容を確認しました。
資料を見る

ジャパンサーチ「変災前知身体保全法」
守田長禄による『変災前知身体保全法』の書誌情報を確認しました。
資料を見る

日本自律神経学会『交感神経活動の脳内ネットワーク』
恐怖などの環境ストレスと、扁桃体・交感神経系などの関係について参考にしました。
論文を見る

気象庁『気象業務はいま2026』・「地震予知について」
現在の科学技術における地震予知について確認しました。
気象庁の資料を見る

気象庁「キキクル」
大雨による土砂災害、浸水害、洪水災害などの危険度を確認する公的情報として紹介しました。
キキクルを見る